特集 Common Disease インストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか
物理・化学的因子による疾患
低体温症
呉 行弼
1
1東京都済生会中央病院内科
pp.631-635
発行日 2006年11月30日
Published Date 2006/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101625
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偶発性低体温は全く意図せずに深部体温が35℃未満になったときに生じる.通常は意識障害(急性アルコール中毒,低血糖,脳血管障害,頭部外傷など)や全身衰弱で動けなくなった者が寒冷に曝露されることで発症する.これまで健康だった人が直接低温にさらされることで生じる一次性偶発性低体温に比べ,基礎疾患や重篤な合併症(肺炎,敗血症,消化管出血など)の病態が加わった患者や全身疾患の合併症そのものとして生じた二次性の偶発性低体温は,さらに複雑な病像を呈し死亡率も高くなる.偶発性低体温は体温により,軽度低体温(32℃以上35℃未満),中等度低体温(28℃以上32℃未満),高度低体温(28℃未満)に分類される.
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