Japanese
English
方法と装置
低体温法—軽度低体温法を中心として
Induced Hypothermia, especially Mild Hypothermia.
四方 淳一
1
Jun-ichi Shikata
1
1東京大学医学部清水外科教室
1The 1st Surgial Dept., Faculty of Medicine, University of Tokyo.
pp.101-112
発行日 1962年2月15日
Published Date 1962/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201064
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I.緒言
低体温法の研究の歴史はかなり古いものであり,これが臨床的に盛んに実施されるようになつてからも既に10年以上の歳月が経過した。その間,医学における他の治療法にも見られたと同じように消長が見られ,時には流行的に蔓延した時代さえあつたが,落着くべき所に落着きつつある傾向にあるというのが現状であろう。
かくのごとく多年にわたつて臨床的に応用されている低体温法もその適応についてはかなりやかましく論義されているのであるが,その方法については尚未完成かつ不十分の域を出ていないのは極めて残念である。又重篤な脳外傷の急性期治療に低体温法が多少の効果があるのではないかと論議されている現在,開業医家にとつても或いは低体温法の実施に迫られる場合もあるであろう。その場合,未だに原始的な方法に頼らざるを得ないのが実状であり,一般医家からも簡単かつ安全に低体温法を実施出来る装置の工夫が望まれている。
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