特集 Common Disease インストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか
物理・化学的因子による疾患
虫刺症
塩原 康正
1
,
平田 博国
1
,
林 ゆめ子
1
,
福田 健
1
1獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
pp.636-639
発行日 2006年11月30日
Published Date 2006/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101626
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虫刺症とは,虫による刺交,血の吸引が原因による皮膚を介して侵入する経皮性アレルギー(局所の腫脹,蕁麻疹,アナフィラキシーなど)を引き起こす.本邦では,蚊,ムカデ,ケムシ,ハチ,毒蛾,アブ,ブユ,ノミ,ダニ,シラミ,疥癬,クラゲなどの虫刺症が問題となっている.刺傷時期は,毎年4~9月にかけて多く報告されている.通常,刺傷後30分以内に,そう痒感を伴うやや隆起した赤い発疹が出現する.そして,1~2時間後には,発疹は消失または軽減するが,6~48時間後に再度そう痒感を伴う赤い発疹が出現し,時に水疱形成することもある.また,ハチ刺傷において,毎年20~30名ほど死亡しており,虫刺症のなかでも最も重篤な全身症状(即時型アレルギー反応:アナフィラキシー)が出現することがある.
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