今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
column 臓器抽出のコツ
膵
唐澤 英偉
1
1国際医療福祉大学附属熱海病院消化器内科
pp.238
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101013
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肝胆囊と比較すると膵の描出は難しく,しばしば「超音波による膵描出の極意」は何かと聞かれる.特に極意といわれるほどのものはない.まず膵臓の解剖学的位置をよく理解していることが基本である.特に脾静脈・門脈をはじめとする膵の血管系の把握が大事である.膵の描出が困難な理由は,肝臓に比較し小さな臓器であることに加え,膵周囲には胃・腸管が取り囲んでいることにより,腸管ガスの影響を受けることによる.したがって,膵のなかで胃・腸管ガスの影響を受けやすいところを心得,検査・読影することが大切である.すなわち,膵頭部の十二指腸側,膵尾部側である.膵臓の超音波検査は,午前中で食事前にすることが望ましい.必要に応じ,脱気水を飲用してもらい,検査する.また,体位は,仰臥位のみでなく,半座位など体位変換して,よい音響の窓を作る.(経済的に可能であれば,座位と仰臥位のとれる椅子を用意するのも一法である.)
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