今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
column 臓器抽出のコツ
総胆管
入江 健夫
1
,
宮本 幸夫
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学
pp.210
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101010
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総胆管は,胆囊管が肝外胆管(総肝管)に合流する部分(3管合流部)より下部の胆管を示す.ただし,超音波上は3管合流部の同定は困難である.長さは10cm前後で内径は6~8mmほどであり,内径が10mm以上を異常とする.総肝管は門脈の右腹側を走行するが,総胆管は外側から背側寄りを走行し,膵内(膵頭部)に移行する.膵内では門脈から上腸間膜静脈に対して外側下方に位置し,門脈から離れ,下大静脈の腹側で先細りして描出される.したがって,右季肋部縦走査において門脈本幹に併走する総肝管を同定して,逆「く」の字を描くように探触子を尾側に移動しながら,総胆管を3管合流部付近から膵内(膵頭部)まで確認する.右季肋部横走査では,総肝管の横断像を門脈本幹の右側腹側に確認し,尾側に探触子を移動しながら膵内(膵頭部)に至る総胆管の横断像を描出する.横断像ではやや楕円形を示す胆管が描出され,厳密には,総胆管の内径は縦断像より横断像で計測するほうが正確であるが,臨床的に問題となることはほとんどない.肥満・消化管ガスが多いなどの被検者の状態によっては,総肝管レベルの確認は可能であっても,総胆管レベルでの描出は困難なことも多い.その場合には,左側臥位や立位で施行したり,吸気の程度を変えて走査することにより描出できることもある.
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