今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
最新超音波技術のトピック
パワードプラとPFD(pulsatile flow detection)
宮本 幸夫
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学
pp.297
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101000
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カラードプラ法は速度モードとパワーモードとに区分され,後者は一般にパワードプラ法として知られている.前者が,時々刻々と変化する血流速度分布をカラー血流マッピングとして表示する方法であるのに対し,パワードプラ法は,ドプラ信号のパワーをカラー表示する方法であるため,同法では血管造影像のような血流分布像として表示される.同法は,①角度依存性がないため蛇行した血管であっても一本の血管として描出される,②averagingが可能であるため血流描出感度に優れる,③ランダムノイズにマスクされにくいため,低流速表示に優れる,④折り返しによるアーチファクトがない,など数多くの利点を有する.PFD (pulsatile flow detection:拍動流表示法)は,超音波ドプラ法により各フレーム間における速度変化や分散の変化を捉えることで,拍動性の有無を評価してカラー表示する方法であり,動静脈をリアルタイムに識別して表示可能とする新しい血流表示法である(図1).同法はカラーフローマッピングのある意味で究極の表示法であり,今後の展開が期待されている.
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