今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
健診におけるポイント
上腹部超音波健診のコツ
小川 眞広
1
1駿河台日本大学病院内科
pp.294-295
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100999
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超音波検査と他のCT,MRI検査との大きな違いは,一度に観察できる範囲が限られるため,ある程度の走査時間とテクニックが必要となり,検者により精度も異なるため,正しい技術や知識を身につける必要がある点である.また,超音波画像は任意断層像であり,客観性に乏しい欠点をもっており,スクリーニング検査においては同じ走査手順で観察することが望まれる1).
われわれの施設では,検査効率も考え,右側臥位から検査を開始し,左腎,脾臓→背臥位にして膵臓→胆囊→肝臓→右腎の順に撮影を行い,膵臓や総胆管などが十分に観察ができない症例では左側臥位や半座位を追加して走査を行っている.左腎・脾臓を先に走査するのは,脾腫の有無を先に観察し門脈圧亢進症の有無を判定して,後の肝臓の走査に役立てるためであり,またゼリーを拭く面積が少なく時間の短縮にもつながるためである.膵臓,胆囊の観察が肝臓より先にくるのは,消化管ガスの影響を受けやすいので,数回の深呼吸により蠕動運動が激しくならないうちに走査を先にすませるためである.次に各臓器の走査のポイントを述べる.
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