今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈骨盤内臓器(卵巣・卵管)〉
卵巣腫瘍の超音波診断―卵管腫瘍も含めて
秦 幸吉
1
,
宮﨑 康二
1
1島根大学医学部産科婦人科
pp.290-293
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100998
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
卵巣腫瘍は,術前に細胞診・組織診を行うことが困難であるため,その確定診断は,通常,開腹術による摘出標本の組織学的検討により行われている.したがって,術前の超音波診断による卵巣腫瘍の良悪性診断は興味ある領域の一つである.1980年代の後半から産婦人科領域に経腟走査法が導入されるようになり,従来の経腹走査法に比べはるかに解像力の高い鮮明な超音波画像を描写することができるようになった.そのため,現在では卵巣腫瘍の診断に関しては経腟走査法を中心として行い,その距離分解能を越えて存在する大きな腫瘍の場合には,経腹走査法を併用する.
本稿では,卵巣腫瘍の超音波診断に関して,卵管病変も含めて解説する.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.