増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の実践—産婦人科エコー法
卵巣腫瘍
秦 幸吉
1
,
宮﨑 康二
1
1島根医科大学医学部産科婦人科学教室
pp.343-346
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907773
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卵巣腫瘍の確定診断は,通常,開腹術による摘出標本の組織学的検討により行われている.そのため,術前の超音波診断による卵巣腫瘍の良悪性診断は興味ある領域の1つである.従来の卵巣腫瘍の超音波診断は,超音波断層法より得られた腫瘍像を形態学的に評価し,病理組織学的診断を推定するものであった.1980年代の終わり頃からカラードプラ法が婦人科領域に導入されるようになって以来,卵巣腫瘍から得られた血流動態を解析することによる機能的診断が可能となり,それを良悪性診断に応用しようという試みが盛んに行われるようになってきた.その後十分な検討がなされ,現在では比較的完成度の高いものとなってきている.
本稿では,卵巣腫瘍の超音波診断の現状ならびに意義について解説する.
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