今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈消化管〉
大腸癌
水城 啓
1
1東京都済生会中央病院消化器内科
pp.275
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100984
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大腸癌が疑われた場合の検査の基本は,注腸X線検査,大腸ファイバーである.また,進行度を評価するうえでCT検査を行う.超音波検査はあくまで補助的な役割として,例えば原因不明の大腸イレウスや下腹部痛の鑑別などに用いられる.またルチン検査のとき,大腸壁の肥厚を見逃さないようにすべきである.最近の報告で大腸癌の高度狭窄症例に,ニフレック®投与による穿孔などの合併症があり,大腸の狭窄とその口側の高度便秘が診断できれば,このような事態を回避できる可能性がある.
大腸癌は低エコーの壁肥厚として描出される.内腔のガスが強エコー,さらにそれを取り囲むように低エコーの腫瘍が認められ,全体が腎の構造に類似するため,pseudokidney signと呼ばれる(図1).正常の腸管壁と連続することを確認する.部位的には,脾彎曲部は描出困難である.右側結腸では便通異常をきたしにくいので,偶然発見されることが多い.超音波検査でリンパ節転移,肝転移が先に発見され,同時に超音波検査で原発の検索を行い,大腸癌が発見できることがある(図2).
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