病理との付き合い方 病理医からのメッセージ(10)
医療関連死―病理と法医の狭間で,どう対処するか
鬼島 宏
1
1弘前大学医学部病理学第二講座
pp.174-178
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100490
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医学において,病理学と法医学は比較的近い学問領域と位置づけられている感がある.また実際に,病理学のトレーニングを受けた後に法医学に進むなど,病理学・法医学の両領域に詳しい医師も少なからずいる.しかし,病理学・法医学おのおのの業務内容は,従来は比較的容易に区別できるものであり,(社)日本病理学会ならびに日本法医学会による定義に鑑みる限り,それは明らかのようである(表1).一言でいえば,病気を扱うのが病理学で,法律にかかわる医学を扱うのが法医学である.しかし,近年,医療関連死(診療行為に関連した死亡)の問題が注目されるようになり,病理学・法医学双方にまたがる症例が増加してきており,この点について概説したい.
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