特集 提言—あすの公衆衛生
保健所の将来に向けて
犬塚 君雄
1
Kimio INUZUKA
1
1愛知県西尾保健所
pp.7-9
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902927
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◆はじめに
高齢化が着実に進む中で,地域保健活動の中核的な役割を果たしてきた保健所を取り巻く環境が大きく変化してきている.
高齢者のニーズの高度化,複雑化に対応し,在宅ケアを推進するなど,効率的な高齢者対策を推進するためのいろいろな方策が検討されている.高齢者対策を市町村で一元的に実施するため福祉関係八法の改正が行われ,老人保健法と歩調を合わせて市町村がその実施主体となった.母子保健法の改正も,身近なサービスは住民により身近な市町村で,という潮流に乗って,市町村での一元的な実施が,3歳児健診の都道府県保健所からの移管を含めて検討中と聞いている.
これらの直接的な対人保健サービスの市町村実施を契機として,都道府県の保健所と市町村のあり方の検討が,保健と福祉の連携という観点と絡み合いながら新たな局面を迎えている.今後,保健所が果たすべき役割について,全国保健所長会が会員を対象に行ったアンケート調査を紹介しながら,若干の私見も交えて述べたい.
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