視点
保健と福祉の統合にあたって—21世紀に向けての地域保健
犬塚 君雄
1
1豊田市保健所
pp.74-75
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902232
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地域保健法の施行,地方分権の推進,各地方公共団体が取り組む行政改革などの流れに沿って,都道府県,市町村を問わず全国的に保健部局と福祉部局の統合が進められている.わが豊田市においても中核市のメリットを生かすべく,平成11年10月より保健所と福祉事務所を統合し,保健・福祉サービスを一体的に提供する体制としたところである.筆者は愛知県職員で現在は市への派遣の身分であるが,従前から都道府県レベルでの保健と福祉の統合と,市町村レベルでのそれとは趣旨が若干異なるのではないかと考えてきた.言い換えると,直接的な住民サービス中心の市町村における保健と福祉の統合は待ったなしに進められるべきものと理解しているが,都道府県における統合には市町村ほどの必然性は感じていない.端的にいえば,都道府県における統合は,それぞれの地域でいろいろな議論を尽くして行わなければ単なるリストラに終わるのではないかと危惧している.このような観点から保健と福祉の統合にあたっての私見を述べてみたい.
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