特集 提言—あすの公衆衛生
地域保健・医療・福祉のシステム指向
石川 澄
1
,
大須賀 桂子
2
Kiyomu ISHIKAWA
1
,
Keiko OHSUGA
2
1香川医科大学医療管理学
2香川県大内保健所
pp.4-6
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902926
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
◆はじめに
公衆衛生の概念はきわめて広く,その守備範囲も多様である.ここでは「保健」,「医療」のみならず「福祉」を含む包括概念と解釈しているが,筆者の出身である「医療」に偏したアプローチをお許し願いたい.
「包括医療」の概念は,公衆衛生のありかたを示すキーワードとして一般化して久しいが,依然として継続的な実践の効果がみえない.それを実現する柱のひとつが「情報のシステム化」であることも総論的には理解されているように見えるが,医療情報が十分活用されているとはいいがたい.果たして,医療サービスに従事する者,受ける者がどこまで包括医療の意義を理解し,地域医療のシステム化の必要性を感じているのか.その前に現在の体制は「住民から期待されているか?」,「クライアントから満足されているか?」,「医療従事者に充足感があるか?」を,私たちは問い直さなければならない.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.