特集 文化と健康生態・1
島の健康生態
植田 悠紀子
1
1県立長崎シーボルト大学看護栄養学部看護学科(地域看護学)
pp.668-672
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902811
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はじめに
長崎県は596の島を有し,島の面積は全県の46%を占める1).そのうち有人島は75で,23万9千人(県人口の16%)が生活している.有人島のうち55島が離島振興法の指定を受けており,全国の同法指定島では数で21%,居住人口で34%を長崎県が占めている.県の全自治体数の56%(5市38町1村)が離島に含まれるか離島を有しており,長崎県における島の問題は自治体の問題でもある.
このような長崎県の特色から,新設の県立長崎シーボルト大学では,2学部(国際情報,看護栄養)4学科(国際交流,情報メディア,看護,栄養健康)のすべてで,島を含む地域への働きかけが活発である.なかでも看護学科は4年次生の総合実習として,「しまの健康」と題する足かけ3週間の島での実習を組んでおり,準備のために開学当初から,看護学科教員がほぼ総がかりで担当する島の保健所と市町から情報を集め,毎年打ち合わせの島訪問を繰り返してきた.お陰で少しは島の実態について情報を得たり考えたりする機会があった.とはいえ,筆者の長崎における経験は1999年4月の大学開設からであり,島の自治体との交流も始まったばかりである.
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