特集 文化と健康生態・1
雪国の健康生態—新潟県中里村での高床式住居に居住する後期高齢者の生活調査より
上野 春代
1
,
安村 誠司
2
,
芳賀 博
3
,
新野 直明
4
1新潟県上越健康福祉環境事務所
2福島県立医科大学医学部
3東北文化学園大学医療福祉学部
4国立長寿医療研究センター疫学部研究部
pp.662-667
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902810
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新潟県は日本海側で最も雪の多い地域であり,とりわけ上・中越(群馬県,長野県,富山県側)の山沿いは雪が多く,1日に1m以上もの降雪のあることも珍しくない豪雪地域である.そしてこの豪雪地域である上・中越の山間部では,人口の高齢化,過疎化が著しく,その1例として東頸城郡6町村では,平成13年4月1日現在の高齢化率は35.8%で,人口の推移では平成3年24,480人,平成8年22,382人,平成13年20,480人と,5年ごとに2,000人が減少している.
こうした環境の中で雪国の生活が育んだ独特の文化があり,各地に伝わる雪中行事,冬の保存食,野菜などの貯蔵方法など,生活の知恵や工夫が受け継がれてきている.そして,雪国に生活する人々の心は,長い冬に耐え,春を待つという忍耐力や明るさ,人情味あふれた住民性が特徴でもある.
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