連載 地方分権による保健医療福祉活動の展開・12
環境問題と地方分権
宮田 秀明
1
1摂南大学薬学部
pp.915-918
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902872
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21世紀における環境問題の様相
一昨年,米国科学アカデミーは,この2年間の地球温暖化のスピードは過去50年間の25倍にもなったことを明らかにした.このような状況であるため,地球温暖化問題はわが国をはじめ世界各国にとって最重要課題の1つである.同様に,オゾンホール,砂漠化,地球資源の枯渇化,酸性雨などが大きな国際問題となっており,現在の環境実態は極めて深刻な状態にある.さらに,世界諸国の急速な経済発展および年間に約8,000万人にも及ぶ人口の急増は,この深刻な状況を加速させることになる.したがって,現在の状況が続けば,近い将来にわれわれの子孫が生存不可能になる懸念さえ指摘されている.
「21世紀は環境問題の世紀である」との世界各国の位置づけは,正に当を得ている.環境問題を解決し,生存持続可能な循環型社会を形成することは,人類にとって最も重要な緊急課題である.
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