特集 思春期の薬物乱用予防—生きる力をやしなう活動を求めて
当事者が考える予防と回復
近藤 恒夫
1
1近藤恒夫相談室
pp.76-77
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902663
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薬物乱用予防教育の目標を達成するためのプログラム,①薬物に対する正しい知識の獲得,②誘いに対して「ノー」と言える危険回避のスキル,③対人関係葛藤の解決スキル,④セルフエスティームを守るスキル,⑤ストレスへの対処行動の学習などは学校保健で行われていなければならない.特に薬物乱用予防教育は喫煙,飲酒と深く結びついており,そのためには喫煙,飲酒の開始を遅らせることが重要なことになる.
また,薬物乱用予防教育において,薬物の害の知識を教えて恐怖心をあおるだけでは成功しないことは既にアメリカの学校などで実証されている.回復途上にあるダルクメンバーの体験の話は恐怖心をあおるためではない,人は破滅の繰り返しの中にも救いを求めているというメッセージが,学生たちに共感をもたらすのである.
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