特集 根拠に基づく公衆衛生の展開
新生児期から学童期までの検診の根拠
北川 照男
1
1東京都予防医学協会
pp.20-27
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902430
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わが国の公費による先天代謝異常症の新生児マス・スクリーニングは,昭和52年に開始されたが,その数年前から日本母性保護医協会会長の森山豊先生が班長になられて,厚生省の補助金による研究班が内外の情報を集めながら,試験的なスクリーニングを実施し1,2),それらの成績をもとにして行政レベルのマス・スクリーニングが始められた.
その約10年前からドイツやアメリカは行政レベルのPKU(phenylketonuria,フェニルケトン尿症)のスクリーニングを開始しており,わが国のスクリーニングはこれを参考として準備されていたので,根拠に基づく検診とだれもが信じていた.しかし,開始後ヒスチジン血症をスクリーニング対象疾患から外す3)とか,PKUの治療基準を改定4)するとか,若干の軌道修正を行いつつ今日に至っている.
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