特集 飲酒の行動医学
飲酒行動への保健所の対応の現状
竹内 達夫
1
1三鷹武蔵野保健所
pp.262-265
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902062
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中世の人文学者エラスムスは,「予防にまさる治療なし」といった.疾病に対しての一次予防の重要さを見事に言い尽くしている.医学および学際領域の進歩は,この正しさをますます実証してきている.
かつて厚生省のアルコール問題に関してのいわゆる河野研究班は,大量飲酒のアルコール依存症の予備群を含めアルコール依存症圏の者約220万人と算定した.日本は,先進国の中で例外的に飲用アルコール消費量の増加している国である.現在ではアルコール依存症圏の者の数は,約240万人とも予測されている.女性飲酒量の増加,さらに男女とも飲酒者の低年齢化などがその数を増加させていると推定されている.
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