特集 ここが知りたいアルコール性肝疾患―お酒と肝臓の上手な付き合いかたとは?
アルコールによる肝臓ダメージを評価する
飲酒量を把握するための飲酒マーカー
野村 文夫
1
1ちば県民保健予防財団肝臓内科・遺伝子診療科
キーワード:
γ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)
,
糖鎖欠損トランスフェリン(CDT)
,
平均赤血球容積(MCV)
,
ethyl glucuronide(EtG)
,
phosphatidylethanol(PEth)
Keyword:
γ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)
,
糖鎖欠損トランスフェリン(CDT)
,
平均赤血球容積(MCV)
,
ethyl glucuronide(EtG)
,
phosphatidylethanol(PEth)
pp.1089-1093
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000941
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Headline
・飲酒量を把握するための飲酒マーカーとしてはγ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)が有名であるが,過度の飲酒があってもGGTが上昇しないノンリスポンダーの検出および偽陽性例の確認のためには糖鎖欠損トランスフェリン(CDT)がきわめて有用であり,その保険適用が待たれる.
・GGT,CDTはいずれも間接飲酒マーカーであり,感度・特異度に限界がある.診断効率がより優れる直接マーカーのethyl glucuronide(EtG),phosphatidylethanol(PEth)の検討がわが国でも必要である.
・飲酒マーカーを日常診療で用いる場合は,検査の意義・限界を受診者に十分に説明し,理解を得たうえで,コミュニケーションのためのよき媒体として活用することが重要である.
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