特集 飲酒の行動医学
ストレスと飲酒
清水 新二
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所
pp.252-257
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902060
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ストレスと飲酒に関しては,電撃や拘束による計画的なストレス負荷をめぐる動物実験研究,ならびに社会生活や自然災害から無意図的に生じるストレスについて人間社会を対象にした社会的ストレス研究がある.筆者の専門は,個体としての人間を含めて動物実験研究ではないため,後者の領域の社会的ストレス研究を中心に論じることにし,本稿と関連する限りで,動物実験によるストレス研究の成果にも触れることにする.
また「災害」はわが国におけるPTSD(post traumatic stress disorders)研究を触発した典型的な社会的ストレス状況と見なせるにもかかわらず,わが国ではこれまで災害ストレスとアルコール問題に関する研究は皆無といってよい状態にあった.最近この領域における研究にも端緒が開かれつつあることから,ストレスと飲酒問題の新しい研究として,特に「災害ストレスと飲酒」研究を紹介することにしたい.
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