特集 公衆衛生/予防医学と分子生物学
飲酒行動と遺伝素因
竹下 達也
1
,
森本 兼曩
1
1大阪大学医学部環境医学教室
pp.855-858
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901394
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はじめに
歴史的には,酒ははるかに古い時代より存在している.日本では少なくとも縄文時代中期にはヤマブドウなどの果物を発酵させた酒を嗜んでいたという.また「口噛みの酒」もこの時代に既に存在していたといわれる.酒酔いの陶酔感の神秘性から,古来酒は神事と深く結びついてきた.そして麹による酒の大量生産が可能になるにともなって,飛鳥時代以降酒は庶民にも急速に普及することになった.
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