EDITORIAL
アルコールは自動車運転にどう影響するか
上野 佐
1
1日大法医学
pp.1049
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203231
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交通違反の3悪は無免許運転・スピード違反・酔っぱらい運転である.このうち酩酊運転事故は約10%であるが,起これば大事故となる可能性が大きいので重視されている.
同一条件で飲んだときの血中アルコール濃度曲線は,酒に強い者も,弱い者も,大きな相違がない.酩酊の差はそのときの脳アルコール感受性の相違による.アルコールによって大脳皮質表層の理性をつかさどる新皮質が麻痺され,大脳皮質深部の本能をつかさどる旧皮質が解放されて,乱暴な運転行動が起こるといわれる.
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