連載 精神保健福祉—意欲を事業に反映するために
コミュニティワーク入門—計画の初動にあたって
田中 英樹
1
1川崎市リハビリテーション医療センター
pp.868-871
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901795
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連載の流れから,本稿では「計画を実務に切り替える」部分を概説したい.いわばここでは計画の「策定段階」から「実施段階」への実践展開法について述べることになる.
精神保健福祉に関する計画は,区市町村レベルでそれを策定すること自体大変な作業である.ましてや実施に移す(事業化=予算とその執行)行政施策化となると,さらにより多くの困難を伴いやすい.「障害者プラン」に謳われた精神保健福祉領域は,老人保健福祉計画や子育て支援計画,ほかの障害者計画とは,この「事業化」の部分で残念ながら困難の度合い,条件に格段の差が生じている.課題の最たるものは,行政内部においては「事業化」そのものであり,市民領域においては「心のバリアー(障壁)」そのものである.したがってマイノリティ問題の国民的合意形成(バリアフリー化)の方法として有効と思われるコミュニティワークの視点と手法からこの課題に接近することを本稿の役割として,計画執行の初動部分を中心に論を展開していきたい.
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