連載 福祉部門で働く医師からの手紙
福祉施設での保健医療活動—その知られざる姿
古林 敬一
1
1金剛コロニー附属診療所
pp.860-861
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901793
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本誌2月号のこのコーナーで松下彰宏氏が書いておられた「福祉部所管の大規模な知的障害者施設の診療所」が,私の勤める金剛コロニー附属診療所です.金剛コロニーは,大阪府が設置し,社会福祉法人大阪府障害者福祉事業団が運営している知的障害者総合援護施設です.入所者数840余名で,在宅の知的障害者への支援も行っています.附属診療所は,精神薄弱者福祉法や児童福祉法上の設置義務はないのですが,施設規模が大きい(入所者数は日本一)ことから府条例で設置が定められており,入所者ならびに在宅・近隣施設の知的障害者を医療面で支えています.
「知的障害」と聞くと,一般の方は子どもをイメージされるようですが,当コロニー入所者の年齢構成は,40歳代が45%,50歳以上が15%と中高年が主体となっており,一般社会同様,高齢化が進んでいます.最高齢者は72歳です.大阪府福祉部には,府財政がきびしいにもかかわらず,疾病・障害の多様化・複雑化に対応した診療レベルを維持すべくご尽力いただいており,この場をお借りして厚くお礼申し上げます.
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