連載 研究ノート
高齢者在宅ケア地域総合支援システム
[事例] 入院から在宅療養に向けた独居老人への支援
堀井 礼子
1
1北海道深川保健所
pp.753-759
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901774
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MDS-HC/CAPSは,平成6〜8年の3年間,高齢者在宅ケア地域総合支援システム研究事業として,北海道6カ所の保健所がこの手法を使いながら,在宅高齢者のケアプラン作成の方法論の有効性について研究を行ってきました.
北海道深川保健所管内ではこの時期,自治体が直営の介護支援センターを開所し,保健センターの中堅保健婦をそこに異動させました.保健婦はもちろん,配属された職員はそこで何を,どこから,どのように始めて良いか混乱した状況にありました.在宅高齢者の地域ケアを充実していくために,支援センターがどんな役割と機能を担うことが必要で,そのために関係機関とどんな連携のとり方が必要か,町でこのことにかかわる関係者が共通な絵を描けるよう,関係職員を対象にした学習会の開催に保健所も参画しました.その中で,介護支援センターがキーステーションとなって,在宅高齢者のケアをマネージメントする体制を構築していく必要性が確認されました.そこで,地域で処遇が必要な事例をとおして,チームでケアプランを作成することの意義や効果について,高齢者の地域ケアにかかわるおのおのの職種が,チームで共通に体験を積み上げていく必要があり,希望がある町と協力し,本手法(MDS-HC/CAPS)による研究を道具として活用しながら,地域のケアマネージメント体制構築に向けて支援しているところです.
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