連載 精神保健福祉—意欲を事業に反映するために
分析と資料づくり
高畑 隆
1
1東京都立中部総合精神保健福祉センター
pp.681-689
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901763
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計画づくりは,三つの流れが同時に進行します.第1は表面に見える委員会の計画,第2は事務担当者の作業(調整や整理),第3は実務家(保健婦などの専門職)の作業です.計画づくりは,表面に出ない裏方の膨大な事務作業と,この作業を支える実務家の資料づくりがあります.市町村では,福祉の専門家が少ないので保健婦が保健と福祉の資料づくりを担います.精神障害者の計画は,医療・保健・福祉対策を包括した総合資料づくりが求められます.老人保健福祉計画に参加した方は,計画づくりの経験が役立ちます.また,委員長の役職や事務担当者の部署によって,計画の性格が異なります.
計画作成過程を幾つかの段階に分けて考えます(試案,表1).①行政計画段階は業務の現状からの課題提案,②社会計画段階は対象者のニーズ調査,サービス資源調査での達成点,③総合計画段階は地域性を踏まえた,サービス目標水準,必要度と提供体制,④行動計画づくりと新たな計画への準備段階に分けて考えます.ここでは,実務家の視点から計画作成過程を追って行きます.
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