視点
国際医療協力のあり方—WHOの立場から
江上 由里子
1
,
古知 新
1
1WHO結核対策部
pp.610-611
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901749
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人類はこれまで,伝染病や寄生虫疾患をはじめ多くの病気と闘ってきた.天然痘は根絶され,ポリオは,アメリカ地域においては既に根絶され,これらは,既存の医療技術による対策を,世界保健機関(World Health Organization,WHO)のリーダーシップの下に成功させた例である.国際医療協力とは,ある地域,または地球規模の保健医療問題を,国際間で解決することである.既存の技術をどのように活用して世界的な効果をいかに出すかが,国際医療協力の最大の課題である.結核との闘いは今後まだ半世紀以上は続くと予測されるが,現在その対策は着実に成果を上げている.今回は,既存の診断法・治療法が確立し,グローバルな効果の評価が可能なものを対象に,結核対策を例に国際医療協力のあり方を考えてみたい.
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