特集 交通事故の予防医学
交通外傷の救急医療—システムと実態
益子 邦洋
1
,
望月 徹
1
,
大塚 敏文
1
1日本医科大学救急医学科
pp.455-459
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901510
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過去30年の間にわが国の救急医療体制は大きな進歩を遂げてきた.しかしながら一方では交通事故死者数は毎年1万人を超えており,総務庁,警察庁,運輸省,自治省,厚生省,国土庁,その他関係諸機関の懸命の努力にもかかわらず目立った減少傾向は見られていないのが現状である1).従来,道路・車・人の3要素を中心として様々な調査研究がなされ,その結果を基にいろいろな施策が打ち出されてきたわけであるが,これらが十分な効果を上げているとはいえない現在,救急医療の面から交通事故死者数を減少させるための方策が検討されてきている2).それゆえ,本稿においては交通外傷に対する救急医療体制の現状を概説し,その問題点や将来展望につき述べる.
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