特集 地域リハビリテーション
教育における地域リハビリテーションのすすめ—作業療法士について
寺山 久美子
1
1東京都立医療技術短期大学
pp.622-625
発行日 1995年9月15日
Published Date 1995/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901340
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地域リハビリテーションにおいて作業療法が果たすべき機能・役割
(社)日本作業療法士協会は,作業療法の定義を表1のように定めている.また対象者が「主体的な生活」を確保するための作業療法の役割と機能を表2のように規定している.4,5,6は説明を要しないが,「基本的能力」「応用的能力」「社会的適応能力」を解説すると表3のごとくとなる.基本的能力と応用的能力の改善は主として医療における作業療法の役割であるが,地域リハビリテーション(以下,リハと略)の作業療法では,1,2については各能力の「維持」に役割があり,3,4,5,6を主たる機能・役割として期待される.保健所,デイサービスセンター,老人保健施設,特別養護老人ホーム,在宅介護支援センター,訪問看護ステーション,授産施設など働く場所は医療,保健,福祉,職業領域とさまざまであるし,対象も障害児,身体障害者,精神障害者,高齢者と広範にわたる.ともに働くチームメンバーも医師,保健婦,看護婦,理学療法士,教師,建築士,介護職,ソーシャルワーカー,職業カウンセラー,など働く領域の違いなどによって千差万別である.
一方,最近,ケアーマネージメントの必要性が叫ばれ始めている.「できる能力があれば,ケアマネージャーは誰がやってもよい」となっている.北欧やイギリスなど地域ケアの先進国では,作業療法士で優れたケアマネージャーの役割を果たす方が少なくない.この領域にも作業療法士が果たすべき役割がある.
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