視点
地域保健と学校保健の連携
髙石 昌弘
1,2
1大妻女子大学
2国立公衆衛生院
pp.154-155
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901212
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保健活動の対象とその一貫性
「揺藍から墓場まで(from cradle to grave)」という表現が「胎内から墓場まで(from womb to tomb)」と変わってすでに久しい.人間の一生は,まさに受精から死に至るまでのすべてのライフステージとして一貫しているわけであり,保健活動はそれぞれのライフステージの特性を考慮して行われなければならない.
行政の専門分化が進んでいくなかで,保健活動の分担も厚生省,文部省,労働省の関連部局と多彩化してきたが,これは,それぞれのライフステージの特性が考慮されたからといってよい.地域保健,学校保健,産業保健という表現で,それぞれが独自の発展をして今日に至ったことは当然の成り行きであろう.しかし,振り返ってみれば冒頭に述べた通り,保健活動の対象は,どのライフステージにあるとしても決して独立したものではなく,一貫していることは言うまでもない.それぞれの保健活動が十分な連携を保たなければならないことは当然である.しかも,このような時間的流れの一貫性にとどまらず,生活の場を考えてみても,家庭,地域,学校,職場は空間的な深い関連性をもっているはずであり,生活環境という視点からも,それらの関連性が重視されなければならないはずである.
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