特集 歯科保健医療の動向
高齢者・障害者の歯科医療における課題と展望
渡辺 誠
1
,
菊池 雅彦
1
1東北大学歯学部高齢者歯科学講座
pp.693-697
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901124
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◆はじめに
わが国における65歳以上の老年人口が全人口に占める比率は,平成2(1990)年で12.0%,平成12(2000)年では17.0%,さらにその10年後(2010年)には21.3%となり,日本は世界一の老人社会になると予測され,高齢化が他国に例をみないほど急速に進行している1).
また高齢化社会の裏側には,寝たきり老人や痴呆性老人などの介護の必要な老人数の増加の問題がある.平成2年における国内の寝たきり老人は約70万人で,内訳は在宅に24万人,特別養護老人ホームに約16万人,長期入院している老人が約25万人と推計されている2).このような状況のもとで,歯科医療はいかに対応すべきか,また何ができるのかを考え直す時期にきている.
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