特集 健康都市
健康文化創造のためのアプローチ
太田 壽城
1
1国立健康・栄養研究所健康増進部
pp.315-318
発行日 1994年5月15日
Published Date 1994/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901028
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◆健康モデル
世界保健機関(WHO)によれば「健康とは,肉体的,精神的および社会的に完全によい状態にあることであり,単に疾病または,虚弱でないということではない」と定義されている.換言すれば,身体的および精神的に健全な状態にあり前向きに社会に関与できる状態を示す.健康は個人について考えるのみではなく,集団について考える必要もある.たとえば,地域や職域の社会の健康を考えることは政治的,経済的な観点からきわめて重要である.
医学は治療中心の医学から早期発見・早期治療の健診医学・健康管理学を経て,予防医学に重点をおくようになっている.同時に医学の関与は病人中心から健康人を対象とするように変化している.個人のレベルでも健康に対する関心は強まり,健康を最大の幸福と考える時代になってきた.社会全体も政府,地方自治体,会社等で健康に対する意識と行動は高まっている.このような状況下で個人と集団の健康を積極的に保持・増進するのが健康づくりである.健康づくりは個人の幸福と社会の活性化に寄与する.
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