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日本老年看護学会第4回学術集会特集 シンポジウム
高齢者のヘルスプロモーションを支える看護の現状と課題
高齢者のエンパワーメント—文化的見地からのアプローチ
Empowerment of the Elderly and Culture
麻原 きよみ
1
Kiyomi Asahara
1
1信州大学医療技術短期大学部
1School of Allied Medical Sciences, Shinshu University
pp.20-25
発行日 2000年11月1日
Published Date 2000/11/1
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
はじめに
四方を山で囲まれた人口1,700人の過疎農山村で農村高齢者の家族介護に関するフィールドワークを行っていた折,私は村のデイサービスセンターによく足を運んだ.その時目にするお年よりは,他のお年よりやデイサービスのスタッフとあまり言葉を交わさない.耳が遠いためだろうか.知っている人がいないからだろうか.村の保健婦は,「(以前働いていた都市部のデイサービスと比べて)利用者に自発性が出ないっていうか,自分が思わず注意しちゃうとか,自分が受けをねらってちょっと何かやってみるとか,デイ(サービス)は自分を発揮できる場であって欲しいと思うんだけど.デイに来れば元気になってがんばろうって気になって戻るような」と私に語った.
デイサービスに来る高齢者,家に閉じこもりがちな高齢者が生き生きするように看護職はどうかかわったらよいのだろうか.高齢者が何らかのきっかけで意欲をもち,何かに動機づけられながら今までの行動とは幾分異なった自立した行動をとる時,そこに何らかの価値観の変化とプロセスが存在するだろう.そのプロセスをエンパワーメントの概念およびプロセスに結びつけながら明らかにすることを試み,虚弱高齢者のエンパワーメントを支援する看護職のあり方を考えてみたい.
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