特集 健康都市
健康文化と快適なまち創造プラン
牧野 ゆり子
1
1厚生省保健医療局健康増進栄養課
pp.312-314
発行日 1994年5月15日
Published Date 1994/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901027
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◆はじめに
わが国は,終戦後約半世紀の短期間に,社会経済や科学技術はめざましく進展し,保健医療面では高い水準が達成されるなど,人びとの生活レベルは向上し安定したものとなっている.しかしその一方,人口の高齢化や少子化,疾病構造の成人病化など新たな課題に直面しているところでもある.
成人病を中心とする疾病構造の下で,疾病の予防,健康の保持増進を図っていくためには,一人ひとりがそれぞれのライフステージにおいて健康で豊かな活力ある生活習慣を確立していくことが重要である.生活習慣のあり方は生活の質(QOL:quality of life)の高さを大きく左右するものでもあるが,その生活習慣を形成する個人と環境について,健康を基本にすえた公衆衛生活動を積極的に展開していくことは以前にもまして重要な課題となっているところである.
生活の質を高めていくためには,個々人が自らの生活習慣を健康なものにしていくことはもちろん,個人を取り巻く環境そのものを健康に資するようなものに変化させていくことも必要である.
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