特集 精神障害者の社会復帰
保健所社会複帰活動,受療相談と「生活の場」—自主研究会(「4木C・C」)からの問題提起
諸沢 洋子
1
,
石橋 禮子
1
,
林 邦子
2
,
島袋 洋子
3
,
伊藤 弘人
4
,
寺西 秀美
5
,
山岸 浪子
2
,
佐藤 陽子
6
,
塩家 智津子
7
,
結城 佳子
8
,
二戸 セツ
9
,
宮本 寿子
10
,
山城 久典
11
,
吉永 真理
12
,
山村 礎
13
1東京都杉並区南保健所
2東京文京区本郷保健所
3埼玉県川越保健所
4(財)東京顕微鏡院
5東京都新宿区役所
6東京都文京区小石川保健所
7東京都杉並区老人福祉センター
8東京都葛飾区水元保健相談所
9埼玉県加須保健所
10西ケ原病院
11東邦大学医療短期大学
12東京大学人類生態学教室
13東京都精神医学総合研究所
pp.36-38
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900956
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■はじめに
本小論では,保健所における社会復帰活動の動向を概観するとともに,私たちの事例検討会での保健婦事例の吟味を通じ,この分野に関する若干の問題提起を試みたい.
わが国の保健所精神保健活動は,昭和40年の精神衛生法・保健所法一部改正によってスタートし,また「保健所における精神衛生業務運営要領」(昭和41年2月11日公衆衛生局長通知)により保健所は精神衛生活動の第一線機関として位置づけられた.その後,この活動は,ゆるやかではあるが着実に増加し,全国保健所保健婦の全訪問件数に占める精神障害者への訪問の割合は,昭和42年に2%であったが,平成元年には遂に20%を越えた1〜3).
保健所における社会復帰活動は,このような訪問や相談業務などの一部として始まった.さらに「保健所における精神衛生業務中の社会復帰相談指導実施要領」(昭和50年7月8日公衆衛生局長通知)により,社会復帰活動が予算化され1),平成5年度には実施保健所は,806カ所(94.6%)に達したという4).また,週3回以上のグループ活動が「保健所における精神保健業務中のデイ・ケア事業実施要領」(昭和62年9月24日健・医・発)として位置づけられた3).
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