調査報告
高尿酸血症への生活行動習慣の関与
小野 桂子
1,2
,
井奈波 良一
3
,
吉田 英世
3
,
岩田 弘敏
3
Keiko ONO
1,2
,
Ryoichi INABA
3
,
Hideyo YOSHIDA
3
,
Hirotoshi IWATA
3
1岐阜県大垣保健所
2前高山保健所
3岐阜大学医学部衛生学教室
pp.880-884
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900941
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●はじめに
痛風は,典型的な関節の激痛症状を呈するのみならず,腎障害,高血圧,高脂血症,虚血性心疾患,糖尿病などを高率に合併しやすい全身性の代謝異常で,その発症の背景にはプリン体の終末産物である尿酸が血液,組織中に蓄積する高尿酸血症がある1).血中尿酸はさまざまな要因によって上昇するが,近年,Laneseら2)とRaheら3)がヒトの血中尿酸値が日常的な種々の情動ストレスによっても一過性に上昇すると報告したことから,ストレスと高尿酸血症の関連が注目されてきている4).
わが国でも,中高年男性における高尿酸血症者の増加1)が報告され,その原因として,企業体における合理化,OA機器等の導入によるストレスの増加や日常生活習慣の変化が考えられている.しかし,このストレスによる血中尿酸上昇の要因については,まだ十分に解明されていない.そこで今回筆者らは,ストレスに起因するヒトの直接的,間接的な血中尿酸上昇の要因を解明するための研究の一環として,高山保健所での事後指導来談者を対象に,血清尿酸値に対するストレス要因である食習慣を含む生活行動習慣の関与について検討したので,ここに報告する.
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