特集 地域における看護と介護
在宅要介護者と家族介護者への援助態勢
村山 正子
1
Masako MURAYAMA
1
1東京都立医療技術短期大学専攻科地域看護学
pp.394-398
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900588
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◆はじめに
老齢人口の急速な伸びに伴い,何らかの援助を要する高齢者もここにきて急増している.ことに,後期高齢者人口の増加が著しく,それだけ介護を要する高齢者の割合が増え,介護の量と新しい種類の介護内容とが求められている.このように急激に変化しつつ増大するニーズに対して,国は様々な対策を矢継ぎ早に打ち出し,それを受けた実践現場では混乱しつつも,全国的にエネルギッシュな取り組みが始まった.筆者に与えられたテーマを在宅の介護を要する人々とその家族に関する現状および援助の課題と受け止め,東京都の老人訪問看護の実態を通して考えてみたい.
東京都では昭和50年代前半に,寝たきり老人に対する訪問看護事業が大半の区や市で開始されていた.老人保健法の成立を契機に,より体制を整え発展してきている1).また,在宅高齢者を支える様々な福祉サービスも充実しつつある.
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