列島情報
要介護者の動向
日置 敦巳
1
1岐阜県健康福祉部
pp.222
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102695
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2000年に介護保険制度が始まって13年が経過した.2006年からは,「高齢者が介護サービスを受けずに元気で過ごせるようにするために」と,介護予防事業が追加されている.今後のさらなる高齢化の進行を踏まえ,介護や医療を必要とする者の著増を抑えることが必要である.こうした中,公衆衛生的な立場からは,要介護認定を受けている者の割合の動向について,興味が持たれるところである.
ここでは岐阜県内における65歳以上の要介護認定者数を,2007年と2012年の3月審査分について,要介護状態区分(1~5)別,5歳階級別(最上の階級は95歳以上)に比較を行った.中重度の要介護者(要介護2~5)数は5年間で,男性では32.4%,女性では34.4%の増加を示した.65歳以上人口に占める割合で見ると,男性では5.9%から7.0%に,女性では9.4%から11.5%へと上昇している.これを年齢階級別に見ると,男女とも75歳以上で中重度要介護者の割合が上昇している.要介護者(要介護1~5)の割合は65~69歳では約2%で,85~89歳までは5歳階級上がるごとにほぼ倍増しており,2012年に比べ,2007年には各年齢階級において少しずつ低くなっている.2006年と2011年の各年齢階級別死亡率には大きな差が見られないことから,死亡による要介護者割合への影響は,両年でほとんど変わらないと考えられる.
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