調査報告
在宅介護を実践する家族の変化と要介護者の自立度に関する研究
加藤 英世
1
,
永井 晶子
1
,
倉澤 順子
1
,
大嶺 智子
1
1杏林大学保健学部
pp.288-292
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902420
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はじめに
在宅介護を実践している家族にとって,経済的。精神的・身体的負担は計り知れないものがある。これまでに,在宅介護における家族の負担・不安,介護支援のあり方,医療・福祉制度の充実とその活用についてなどの調査研究は多い1〜6)。実際の在宅介護にあたる家族の日常生活では,障害者の対応以外に家族個々人の生活とそのなかで発生する出来事,さらに洗濯,炊事,買い物など日常生活上行わなければならない内容が多い。さらに,その負担は妻,嫁である女性にかかることが多いが,その家族の負担を軽減する福祉サービスの質と量は十分とはいえない。
さて,在宅介護を行っている家庭の負担以外の家庭内(家族)の変化に着目した研究はほとんどない7,8)。そこで,本研究は在宅介護を行っている家庭内で負担以外に変化した内容があるのか否か,あるならば,その内容が障害者自身と家族全体の将来,さらに介護・福祉サービスの理念において何らかの問題提起ができうるのではないかという視点から検討した。
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