資料
日本老年医学会における血管系,心臓および神経系研究の動向
井奈波 良一
1
,
清水 弘之
2
,
石井 敏弘
2
Ryoichi INABA
1
,
Hiroyuki SHIMIZU
2
,
Toshihiro ISHI-I
2
1岐阜大学医学部衛生学教室
2岐阜大学医学部公衆衛生学教室
pp.372-374
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900583
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●はじめに
わが国の平均寿命は1989年には男76歳,女82歳と世界最長寿国となり,21世紀には国民の4人に1人が65歳以上になるといわれている1).
高齢化社会の進展とともに寝たきり老人,老人性痴呆症など,解決しなければならないさまざまな問題が発生してきている.
こうした社会情勢にあっては,とりわけ老化メカニズム(人はなぜ老いるのか)の解明の研究,高齢者特有の疾病の原因解明と予防・診断・治療の研究,さらには高齢者の社会的・心理的問題の研究など,長寿社会に関する幅広い分野を総合的・学際的に研究する学問である「長寿科学」2)の研究をよりいっそう推進していかなければならない.筆者らは,これを効果的に推進するためには,これまでにわが国で行われてきた長寿科学研究の動向について知っておく必要があると考えた.そこで長寿科学研究の動向を把握するための基礎資料とする目的で,数多い学会のうちでも長寿科学関連の論文が多く発表されていると考えられる日本老年医学会を選び,この学会における学会発表および原著論文の内容の経年変化について検討した.
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