特集 これからの公衆衛生看護教育を考える
地域保健・医療・福祉サービスと公衆衛生看護教育—保健活動の視点から
石田 由美子
1
Yumiko ISHIDA
1
1奈良県葛城保健所
pp.99-101
発行日 1992年2月15日
Published Date 1992/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900518
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■はじめに
平成3年9月,65歳以上の人口割合は12.5%,75歳以上5.0%,平成12年にはそれぞれ16.9%,6.8%と推計されている.正に高齢社会の到来であり,欧米のそれと比較して約4倍のスピードで日本は高齢社会になったといわれている.
最近のテレビや新聞等では,寝たきり老人や痴呆性老人の生き様が毎日のように報道されており,それは,老人をとり巻く家族の人間関係,介護のあり方,住居環境の問題,医療内容,経済問題など,真に迫ってくる.こうした老人の生活は,中年女性の集まりの中で,必ずといってよいほど話題になり,きまって,自分の行く末に思いをめぐらし「こんな老人になりたい」,「こんな老後を送りたい」,「若い者に迷惑をかけないで自立した生活をしたい」などと案じている.同居している老人の姿や態度から実感される思いも含まれているが,彼女たちの多くは,現在の家庭生活の延長線上に,様々なサービス体制が整えられることを望んでいる.中にはすでに,老人ホームや在宅老人の家庭訪問など,ボランティア活動や勉強会などによる経験を,自分の生活に生かそうとしている人もいる.それ故に「老後は心身ともに健康的な生活を送りたい」との願いが強い.
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