Japanese
English
特集 介護予防に今こそ必要なリハビリテーション
口腔機能向上サービスの新たな視点—オーラルフレイル
New perspectives on improving oral function in the older people: oral frailty
平野 浩彦
1,2
Hirohiko Hirano
1,2
1東京都健康長寿医療センター病院歯科口腔外科
2東京都健康長寿医療センター研究所自立促進と精神保健研究チーム口腔保健と栄養研究
1Department of Dentistry and Oral Surgery, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital Gerontology
2Research Team for Promoting Independence and Mental Health, Tokyo Metropolitan Geriatric Institute of Gerontology
キーワード:
口腔機能向上サービス
,
オーラルフレイル
,
口腔機能低下症
Keyword:
口腔機能向上サービス
,
オーラルフレイル
,
口腔機能低下症
pp.1153-1162
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202379
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はじめに
日本は総人口の約3割が65歳以上の高齢者という超高齢社会となり,要介護高齢者の数も増加した.わが国では2006年度より介護予防事業が導入され,その取り組みを適宜修正しながら現在に至っている.さらに健康寿命の延伸への取り組みに焦点化された健康寿命延伸プランが国から提示され1),そこには「次世代を含めたすべての人の健やかな生活習慣形成」,「疾病予防・重症化予防」,「介護予防・フレイル対策,認知症予防」の3つの分野が示され,その中に,「食環境づくり」,「咀嚼良好者の割合増加」などの目標設定もなされている.本稿のテーマである「オーラルフレイル」は,口に関する「ささいな衰え」が軽視されないように,口腔機能低下,食べる機能の低下,さらには,栄養状態も含めた心身の機能低下まで繋がる“負の連鎖”に警鐘を鳴らした概念であり,健康寿命の延伸に寄与する目的で提唱された(図1)2).
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