日本学術会議環境保健学研究連絡委員会主催公開シンポジウム 「飲み水の危機」—安全で快適な飲み水を守るために・1
環境水と飲み水を守る新たな視点
早川 哲夫
1
1麻布大学環境政策学科
pp.376-379
発行日 2002年5月15日
Published Date 2002/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902739
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
われわれは飲用をはじめとするあらゆる生活の場で水道を利用している.現在の日本の水道普及率は96.6%(平成13年度末)であり,日本のほとんどすべての地域で,特別に意識することなく,安心して水道水を利用している.国際的に見ても,日本の水道は,水質,水量ともに世界の最高水準にあると言ってもいいだろう.
しかし,現在の水道を取り巻く状況を考えると,急速な都市化や工業化などを背景に水道水源の汚濁が進行し,水道水が汚染されるおそれが徐々に大きくなっている.これまで良好な質の水を都市に供給する役割は各都市の水道事業者が担ってきたが,これだけでは十分とはいい難い.ここでは,これからの環境水と飲み水を守るためにどんな政策を講ずるべきかを考えてみたい.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.