Japanese
English
誌上シンポジウム 生物学的製剤が与えた関節リウマチの病態・治療の変化
新たな視点からの関節リウマチ手術適応
Indication for Rheumatoid Arthritis from New View Point
神戸 克明
1
Katsuaki KANBE
1
1東京女子医科大学東医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Women's Medical University Medical Center East
キーワード:
関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
滑膜切除
,
synovectomy
,
手術適応
,
indication for surgery
Keyword:
関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
滑膜切除
,
synovectomy
,
手術適応
,
indication for surgery
pp.805-809
発行日 2011年9月25日
Published Date 2011/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102098
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関節リウマチ(RA)の治療において,手術は,人工関節のように最終手段であるというこれまでの観念から,生物学的製剤との併用療法との認識でRAの機能改善の質を向上させる手段であるという新しい視点が提示され,早い段階から滑膜切除術などが行われている.ここで重要な視点は,生物学的製剤によって改善しない関節を早期に見極め早期に治療するということである.長期に腫脹,疼痛関節を生物学的製剤により治療しても,残存する腫脹関節では関節破壊が進行するばかりでなく,機能改善が不可能な状態を招きやすい.寛解とは全身の炎症を抑えることでなく,疼痛関節をなくすことであると考える.生物学的製剤の効果減弱早期の滑膜切除は有効であるが,残存する関節破壊の状態をよく見極め,荷重関節において破壊が進行した症例では人工関節の適応となる.一方,肩,肘,手関節など上肢の非荷重関節においては,関節破壊が進行していても,生物学的製剤併用下での滑膜切除は可動域改善を得られる手段として再考する価値がある.
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