特集 国際化への公衆衛生の対応
日本の公衆衛生学の国際化—中国人留学生の立場から
金 会慶
1,2
Suichin KIN
1,2
1東京大学医学部公衆衛生学教室
2医学系研究科社会医学専攻博士課程
pp.321-322
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900092
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公衆衛生学は集団(社会)を対象として公共の組織(組織的活動)により健康保持,疾病予防,健康増進および生命延長を行う方法と技術を研究する学問であると定義される.19世紀の公衆衛生活動では感染症対策主として“環境の清潔化”が重視された.いま新たに社会の変革に伴い,公衆衛生学は単純な伝染病を研究する領域から,非伝染病を含むあらゆる疾病および非疾病,例えば外傷(injury),医療制度,医療保健,環境衛生,精神衛生等の領域にまで広がっている.
この広がりは,一つの国家あるいは一つの地域における経済の発展と生活レベルの向上,さらには衛生・健康状況の好転による結果である.
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