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病気の姿をデータで読む(10)子宮癌と乳癌—明暗こもごも
倉科 周介
1
Shiusuke KURASHINA
1
1東京都立衛生研究所環境保健部
pp.272-275
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900079
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いわゆる癌による死亡が全体として増加していることは間違いない.だが全体が部分の代表にならないのは野外事象の常である.腫瘍によって増加率の大小に差があるだけでなく,全体の流れに背を向けて減少の一途をたどるすね者まである.その筆頭格が子宮癌である.反面,乳癌の死亡は増える一方だから,結局のところ,女性固有の癌のバランスシートには,全く変化が見られない.皮肉なものである.拮抗する明暗は,暁闇と黄昏といずれの領するところとなるのだろうか.
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