映画の時間
—それぞれが人生の主役—アバウト・ライフ 幸せの選択肢
桜山 豊夫
pp.347
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210267
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最近の映画はキャストやスタッフの情報はエンドロールに流れることが多くなっていますが、今月ご紹介する『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』は、昭和の映画のように冒頭に情報が流れます。なんとなく古風な感じを漂わせる始まりです。タイトルクレジットに続く本編では、モノクロームの画面で、いたわり合う老夫婦が現れ、「結婚」についてのモノローグが続きます……ある朝、目を覚まして気付く、人生の大半の時間をムダに過ごしてきたと……。
一転カメラが引くと、そこは映画館の中。冒頭のモノクロームの映像は劇中劇だったというわけで、鮮やかな出だしです。映画を観ていたグレース(ダイアン・キートン)とサム(ウィリアム・H・メイシー)は、ひょんなことから意気投合します。
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