連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史・9
子どもと歯科衛生の近代・3—果たして歯磨きは習慣化されたのか
宝月 理恵
1
1お茶の水女子大学基幹研究院・文教育学部人間社会科学科
pp.226-230
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210246
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はじめに
1920年代から30年代にかけて、学校、家庭、診療所、街頭、店頭、展覧会などの場において、口腔衛生に関する言説が、繰り返し産出されていった。いわば「口腔衛生言説の爆発」が起こったといえる*1。しかし、口腔衛生言説の爆発という事態が確認できたからといって、歯磨きという衛生規範・衛生規律が一般の人々に浸透したといえるだろうか。歯磨グッズの売り上げは、歯磨きという習慣が浸透した証左になるのだろうか。「子どもと歯科衛生の近代」連載最終回となる今号では歯磨きの習慣化について検討する。
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